糖尿病と動脈硬化の関係
糖尿病と動脈硬化
「糖尿病があると血管が悪くなると言われたけれど、よく分からない」
「今は症状がないので、本当に注意が必要なの?」
そのように感じていませんか?
糖尿病は、血糖値が高い状態が続くことで血管に負担をかけ、動脈硬化を進行させる病気です。 動脈硬化が進むと、心筋梗塞や脳梗塞など、命に関わる病気につながる可能性があります。 新宿内科耳鼻科クリニックでは、糖尿病を「血糖だけの病気」と考えず、動脈硬化の進行を抑えて血管を守り、将来の重大な病気を未然に防ぐ治療を大切にしています。
動脈硬化とは
動脈硬化とは、血管の内側が硬く・狭くなり、血液の流れが滞って悪くなる状態をいいます。
生まれたばかりの健康な血管はゴムチューブのようにしなやかで弾力がありますが、加齢や生活習慣病によってダメージを受け続けると、弾力を失って硬くなり、内壁に脂肪分などの汚れ(プラーク)がたまっていきます。これにより血管が狭く、詰まりやすくなり、最終的には心臓・脳・腎臓・足など、全身のあらゆる臓器に深刻な影響を及ぼします。
なぜ糖尿病があると動脈硬化が進みやすいのか
糖尿病では、インスリンの作用不足などによって血液中のブドウ糖(糖)が慢性的に過剰な状態が続きます。この高血糖が引き金となり、血管には以下のような負荷が常にかかり続けます。
- 血管の内側(内皮)が傷つく:血液中の過剰な糖が血管壁の細胞を直接傷つけ、血管が本来持っているしなやかさや修復力を著しく損なわせます。
- 慢性的な炎症が起こりやすくなる:高血糖は体内で活性酸素や炎症物質を生み出しやすくし、血管壁に持続的な炎症をもたらして血管の劣化を早めます。
- コレステロールがたまりやすくなる:傷つき炎症を起こした血管壁には、血液中のコレステロール(特に酸化した悪玉コレステロール)が非常に侵入・沈着しやすくなり、血管を塞ぐお粥のような塊(プラーク)を作ります。
これらの要因が複雑に絡み合う結果、糖尿病の方は健康な方に比べて、動脈硬化が通常より何倍も早いスピードで進行してしまいます。
糖尿病による動脈硬化で起こりやすい病気
動脈硬化が進行すると、ある日突然血管が詰まったり、破れたりして、以下のような生命に直結する重大な合併症を引き起こす可能性があります。
心筋梗塞・狭心症
心臓自身に酸素と栄養を送る血管(冠動脈)が動脈硬化で狭くなると、運動時などに胸の痛みや息苦しさを感じる「狭心症」を起こします。さらに、プラークが破れて血栓ができ、血管が完全に詰まると、心筋が死滅する「心筋梗塞」を発症し、激しい胸痛を伴う緊急事態となります。
脳梗塞・一過性脳虚血発作
脳へ血液を送る血管(頸動脈や脳内の血管)が詰まることで、脳細胞が急激に壊死する病気です。手足の片側の麻痺・しびれ、ろれつが回らない、突然の意識障害などが現れ、重大な後遺症を残すリスクがあります。前触れとして一時的に症状が出て消える「一過性脳虚血発作」にも厳重な警戒を要します。
下肢閉塞性動脈硬化症
足の比較的太い動脈が硬化して狭くなり、十分な血流が足先まで届かなくなる病気です。初期には足の冷えやしびれがあり、進行すると「少し歩くと足(特にふくらはぎ)が痛くなり、休むとまた歩ける(間欠性跛行)」という特徴的な症状が出ます。重症化すると足の組織が腐る(壊疽)リスクがあります。
糖尿病性腎症・網膜症
太い血管だけでなく、腎臓のフィルター(糸球体)や目の網膜に張り巡らされている細い微小血管がダメージを受けることで、機能が低下します。腎臓の働きが悪くなれば蛋白尿が出て将来的な人工透析に繋がり、目の血管が障害されれば眼底出血を起こして失明に至る恐れがあります。
症状がなくても注意が必要です
動脈硬化は、かなり進行して血管が半分以上狭くなるか、完全に詰まってしまうまで、まったく自覚症状が出ないことが多い「サイレントキラー(静かなる殺人者)」です。
「今どこも痛くないから」「普段通り元気に生活できているから」という状態であっても、血管の中では静かに、確実に動脈硬化が進行していることがあります。だからこそ、糖尿病と診断された初期の段階から、自覚症状の有無に関わらず、精密な血液検査や定期的な血管評価を行うことが極めて重要です。
動脈硬化の進行を防ぐために大切なこと
動脈硬化は一度進んでしまうと完全に元のしなやかな血管に戻すことは困難ですが、これ以上の進行を強力に止めたり遅らせたりすることは、以下のアプローチで十分に可能です。
- 血糖値・HbA1cを適切に管理する:血管の内壁をこれ以上傷つけないために、良好な血糖レベル(HbA1c)を長期間安定して維持します。
- 血圧を厳格にコントロールする:高血圧は傷ついた血管にさらなる圧力をかけ動脈硬化を悪化させます。ご自宅での測定(家庭血圧)を含めて基準値内に保ちます。
- コレステロール・中性脂肪を管理する:プラークの原材料となる余分なLDL(悪玉)コレステロールや中性脂肪を、適正範囲まで低く維持します。
- 禁煙:タバコの煙は血管を収縮させ、プラークの破裂を誘発し血栓を作れやすくする最大の外的リスクです。確実な禁煙が求められます。
- 食事・運動習慣の見直し:塩分や糖質、脂質を抑えたバランスの良い食事を心がけ、有酸素運動を日々の暮らしに取り入れて基礎代謝を高めます。
糖尿病の血糖管理だけでなく、脂質異常症や高血圧などを同時に、総合的に管理することが、動脈硬化を予防し将来の健やかな日常を守る最大の鍵となります。
このような方は特に注意が必要です
以下の項目に一つでも当てはまる方は、「自分はまだ大丈夫」と先延ばしにせず、お早めに当院の専門的なスクリーニング検査をお受けください。
- 健康診断などで「糖尿病」や「血糖値が高い」と指摘されたまま治療を始めていない方
- 数回の健診で「HbA1c(ヘモグロビンA1c)が高い状態」が継続して続いている方
- 高血圧や、高脂血症(コレステロール・中性脂肪が高い)の合併を指摘されている方
- 日頃からおタバコを吸われる習慣がある方(過去に長い喫煙歴をお持ちの方も含む)
- ご家族や血縁者に、心筋梗塞や狭心症、脳梗塞などの脳・心血管疾患の既往がある方
診療の流れ
ご来院後、受付にて健康保険証(またはマイナ保険証)をご提示ください。現在の体調、健診結果でのご指摘、お持ちの合併症などについて問診票にご記入いただきます。
問診票をもとに、医師が丁寧にお話を伺います。お腹や手足の触診、聴診器での心音・肺音確認を行い、食事や運動、喫煙などの生活状況をお聞きします。
血管へのダメージの程度やアレルギーの有無、内臓の状態を客観的に評価するために、必要に応じて血液検査や尿検査、心電図検査などを実施します。
各種検査結果データを示しながら分かりやすく丁寧にご説明します。動脈硬化の進行度や生活設計に合わせ、最適な治療プラン(お薬のご提案など)を組み立てます。
お会計時にお薬の処方箋をお渡しします。食事習慣のアドバイスや家庭血圧のつけ方の指導を行い、その後も定期的な検査で血管の健康を一緒に見守っていきます。
糖尿病と動脈硬化Q&A
Q1. 血糖値を下げれば動脈硬化は防げますか?
A. 血糖コントロールを良好に保つことは大前提として極めて重要ですが、それだけでは防ぎきれないこともあります。動脈硬化を強力に進める血圧の管理、コレステロールや中性脂肪などの脂質管理、さらには禁煙など、他の危険因子も血糖と同時に管理することが、発作や合併症予防には不可欠です。
Q2. 若くても動脈硬化は進みますか?
A. はい、進みます。動脈硬化は一般的に高齢の方の病気と思われがちですが、糖尿病という基礎疾患がある場合、血管が常に過剰な糖によって高ストレスにさらされるため、実年齢に関係なく、若年層の方であっても動脈硬化が急速に進行することがあります。早めの検査を要します。
Q3. 自覚症状がなくても検査は必要ですか?
A. はい、絶対に必要です。動脈硬化は血管がかなり狭くなって詰まる寸前になるまで、痛みなどの症状が全く出ないことがほとんどです。症状が出てから(心筋梗塞を起こしてから)受診するのでは手遅れになってしまいますので、無症状のうちから定期的に血液検査等で血管へのダメージを予測・管理することが最も重要です。
当院の糖尿病・動脈硬化管理について
新宿内科耳鼻科クリニックでは、糖尿病を単なる「血糖だけの病気」と考えず、患者様の将来の血管を守る総合的な治療に注力しています。
新宿内科耳鼻科クリニック 医師メッセージ
「痛くないからまだ治療しなくていい」「普段通り元気に動けているから心配ない」と糖尿病を先延ばしにすることは、血管を傷つけ、血管の寿命(動脈硬化)を縮める最大の要因となります。動脈硬化は症状がない時期のコントロールこそがすべてです。将来、心不全、心筋梗塞、脳塞栓といった危険な病気を未然に防ぎ、ずっと健康な日常を維持するために、今このタイミングで私と一緒に適切な管理を始めましょう。平日は毎日夜19:00(夜間診療)まで、東新宿駅直結すぐの好アクセス環境で皆様の治療をお手伝いいたします。些細な不安でもどうぞお気軽にご来院の上、ご相談ください。
新宿内科耳鼻科クリニック
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