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【医師監修】インフルエンザA型とB型との違いは?症状・流行時期・熱の上がり方を徹底比較

[2026.08.28]

インフルエンザA型とB型の一番の違いは、「ウイルスの変異しやすさ(流行規模)」と「症状の現れ方(全身症状か消化器症状か)」にあります。

  • A型インフルエンザ: 変異しやすく大流行しやすい。38度以上の急激な高熱、強い関節痛・筋肉痛などの全身症状が特徴。

  • B型インフルエンザ: 変異が少なく流行は限定的。高熱にならない場合もあるが、腹痛・下痢などの消化器症状やだるさが長引きやすい。

どちらも抗インフルエンザ薬による治療が可能ですが、流行する時期や症状の特徴が異なるため、正しい知識と適切な受診タイミングを知っておくことが大切です。

一目でわかる!A型・B型インフルエンザ比較表

項目

A型インフルエンザ

B型インフルエンザ

主な流行時期

11月〜1月頃(冬の前半)

2月〜4月頃(冬の後半〜春)

感染対象

人、鳥、豚などの動物

主に人のみ

発熱の傾向

38度〜39度以上の急激な高熱

高熱〜微熱(熱が上下することもある)

全身症状

強い関節痛、筋肉痛、頭痛、強い倦怠感

比較的ゆるやかだが長引きやすい

消化器症状

少なめ(吐き気などが出ることもあり)

腹痛、下痢、吐き気・嘔吐が多い

変異のしやすさ

非常に変異しやすい(毎年大流行)

変異しにくい(数年おきに流行)

同じシーズン中の再感染

A型の別亜型に再感染する可能性あり

A型感染後にB型に感染する可能性あり

なぜA型とB型で症状や流行の仕方が違うのか?

インフルエンザウイルスは構造の違いによってA型・B型・C型・D型に分類されますが、ヒトの間で毎年流行し、注意が必要なのは主にA型とB型です。両者に違いが生じる最大の理由は、ウイルスの「変異のしやすさ」と「宿主(感染する対象)」の違いにあります。

A型は「多様に変異する」ため感染力が強く大流行する

A型インフルエンザウイルスは、表面にある2つのタンパク質(HA:赤血球凝集素、NA:ノイラミニダーゼ)の組み合わせによって、多くの「亜型(Subtype)」に分かれます(H1N1やH3N2など)。さらに、人間だけでなく鳥や豚などの動物にも感染するため、動物の体内でウイルスが混ざり合い、頻繁に突然変異を起こします。

人間が一度も獲得したことのない新しい型のウイルスに変化しやすいため、集団免疫が効きにくく、世界的な大流行(パンデミック)や毎年の広範囲な学級閉鎖を引き起こす主な原因となります。

B型は「ヒトからヒトへ」感染し、症状が穏やかに持続する

B型インフルエンザウイルスは、亜型が存在せず(山形系統とビクトリア系統の2系統のみ)、ほぼ人間にのみ感染します。動物を介した大規模な変異が起きにくいため、流行の規模はA型に比べると限定的です。

しかし、B型は免疫をすり抜けてじわじわと広がる傾向があり、A型のピークが過ぎた春先に学級閉鎖や職場での集団感染を引き起こすことがあります。

【症状・流行時期の具体例】A型とB型の詳細な比較

【A型の特徴】急激な発熱と激しい全身症状

A型に感染すると、1〜3日の潜伏期間を経て、ある時間から急激に気分が悪くなり、一気に38〜39度以上の高熱が出ます。

  • 主な症状:

    • 38℃〜39℃以上の急激な高熱

    • 強い関節痛、筋肉痛、腰痛

    • 割れるような激しい頭痛

    • 強い全身の倦怠感(だるさ)

    • 乾いた咳、のどの激しい痛み

  • 経過の特徴: 発症初期の全身症状が非常につらく、立ち上がることすら苦痛に感じられるケースが多いです。早期に治療を開始すれば、通常は3〜5日程度で解熱に向かいます。

【B型の特徴】お腹の症状と解熱・再発の繰り返し

B型は、A型と同様に高熱が出ることもありますが、熱があまり高くならない(37度台〜38度前半)ケースも少なくありません。そのため「単なる風邪」と勘違いして外出してしまい、周囲に感染を広げてしまうリスクがあります。

  • 主な症状:

    • 微熱〜高熱(熱が上がったり下がったりを繰り返す「二峰性発熱」が起こりやすい)

    • 腹痛、下痢、吐き気、胃部不快感

    • 鼻水、咳、のどの痛み

    • 微熱やだるさがダラダラと長引く

  • 経過の特徴: 消化器系への症状が出やすいため、ノロウイルスなどの胃腸炎と間違われることがあります。また、熱が一度下がったように見えても翌日に再び上昇するなど、すっきり回復するまでに時間がかかる傾向があります。

同一シーズンにA型とB型の両方にかかる理由

「冬の始めにA型にかかったから、今年はもうインフルエンザにならない」ということはありません。

A型とB型はウイルスの型が根本的に異なるため、A型に対する抗体(免疫)ができても、B型インフルエンザの発症を防ぐことはできません。 実際に、12月にA型に感染し、翌年3月にB型に感染する「二重感染」の事例は内科の外来でも珍しくありません。

検査・治療・予防方法の共通点と受診のポイント

A型とB型でウイルスとしての性質や症状の現れ方は異なりますが医療機関における検査方法や抗インフルエンザ薬の効果、基本となる予防策は共通しています。

迅速抗原検査を受けるタイミング

クリニックで行うインフルエンザの迅速検査は、鼻の奥を綿棒でぬぐう方法が一般的です。この検査キットで、A型かB型か(あるいは双方か)を数分〜15分程度で判定できます。

ここで重要なのは「受診するタイミング」です。 発熱や症状が出てから12時間未満の場合、体内でのウイルス量がまだ十分に増えておらず、実際には感染していても検査結果が「陰性」と出ることがあります(偽陰性)。

正確な診断を受けるためには、発熱後12時間〜48時間以内に医療機関を受診することをお勧めします。ただし、呼吸が苦しい、水分が摂れないなどの強い症状がある場合は、時間にとらわれず速やかに受診してください。

抗インフルエンザ薬治療

インフルエンザの治療薬(タミフル、ゾフルーザ、リレンザ、イナビルなど)は、A型・B型のどちらのウイルスにも効果を発揮します。

これらの薬剤は、ウイルスが体内で増殖するのを抑える薬です。ウイルスの増殖速度は発症から48時間以内にピークを迎えるため「症状が現れてから48時間以内」に服用を開始することが非常に重要です。

出社・登校停止期間の目安

インフルエンザに感染した場合、学校保健安全法に基づいた出席停止期間の基準があります。社会人の出社制限も、この基準に準拠することが一般的です。

  • 発症した後5日を経過し、かつ、解熱した後2日(幼児は3日)を経過するまで

「発症した日」を0日目と数えます。例えば、月曜日に発熱した場合、土曜日までは最低でも外出を控え、かつ木曜日に熱が下がっていれば日曜日から外出可能(月曜日から出社・登校可能)となります。

インフルエンザに関するよくある質問(FAQ)

Q1. A型とB型、どちらの方が重症化しやすいですか?

A1. 一般的にはA型の方が急激な高熱や強い症状が出やすいため重症化のリスクが高いとされていますが、B型も油断はできません。 特に高齢の方、持病(糖尿病、呼吸器疾患、心疾患など)をお持ちの方、乳幼児の場合は、B型であっても肺炎や気管支炎などを併発して重症化することがあります。型にかかわらず、体調変化には注意が必要です。

Q2. 熱が37度台ならインフルエンザではないと考えてよいですか?

A2. いいえ、熱が低くてもインフルエンザの可能性は十分あります。 特にB型インフルエンザや、過去に予防接種を受けている方、高齢の方などは、高熱が出ずに37度台の微熱で推移することがあります。「熱が低いからただの風邪」と自己判断せず、強いだるさや周囲での流行状況がある場合は医療機関にご相談ください。

Q3. 予防接種(ワクチン)はA型とB型の両方に効きますか?

A3. はい、効きます。 現在国内で接種されているインフルエンザワクチンは「4価ワクチン」と呼ばれ、A型2種類(H1N1、H3N2)とB型2種類(山形系統、ビクトリア系統)の計4種類のウイルス株に対応しています。ワクチンを接種しておくことで、A型・B型問わず発症防止や重症化予防の効果が期待できます。

まとめ:つらい症状や疑わしい時は無理せず内科を受診しましょう

インフルエンザA型とB型の違いをまとめます。

  • A型: 冬の前半に流行。急激な高熱と強い全身症状が特徴。

  • B型: 冬の後半〜春に流行。微熱や消化器症状(腹痛・下痢)が多く長引きやすい。

  • 対処法: どちらも発症から48時間以内の治療開始が効果的。

「急激に熱が上がってきた」「熱は高くないけれどお腹の調子が悪くて全身がだるい」「家族や職場でインフルエンザが流行している」といった場合は、無理をして出社や登校を続けず、早めに内科クリニックを受診してください。

当院では、インフルエンザ迅速検査や患者様の症状・体質に合わせたお薬の処方を行っております。体調に不安を感じた際は、どうぞお気軽にご相談ください。

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