メニュー

あなたの血管は何歳?~動脈硬化のリスクを5分で調べる「ABI検査」とは~

[2026.06.02]

「健康診断で血圧やコレステロールが高いと指摘されたが、自分の血管は大丈夫だろうか」 「最近、少し歩くとふくらはぎが痛くなり、休むとまた歩けるようになる」 「足先がいつも冷えていて、しびれるような違和感がある」

このような体の変化や不安を感じていませんか。 高血圧、脂質異常症、糖尿病といった生活習慣病が続くと、血管が硬く、脆くなる「動脈硬化」が進行します。動脈硬化は自覚症状がないまま静かに進行するため「サイレントキラー(静かなる殺人者)」とも呼ばれ、放置すると心筋梗塞や脳梗塞といった命に関わる重大な病気を引き起こします。

この動脈硬化の進み具合や、足の血管の詰まりの有無を、ベッドに横になったままわずか5分程度で痛みを伴わずに調べられるのが「ABI検査」です。

今回は、ABI検査で何が分かるのか、検査の仕組み、受診をおすすめしたい方の特徴について分かりやすく解説します。

ABI検査(足関節上腕血圧比)とは?

ABIとは「Ankle Brachial Index」の略で、日本語では「足関節上腕血圧比(そくかんせつじょうわんけつあつひ)」と呼びます。

健康な人の場合、横になった状態で血圧を測定すると、足首の血圧は腕の血圧よりも少し高い値になります。しかし、足の血管が動脈硬化によって狭くなったり詰まったりして血流が悪くなると、足首の血圧は腕の血圧よりも低くなります。

ABI検査では、この「腕と足首の血圧の比率」を計算することで、特に「足の血管の詰まり(狭窄や閉塞)」を数値化して評価します。

「CAVI(キャビィ)」との同時測定で血管の硬さも分かる

多くの内科クリニックでは、ABI検査と同時に「CAVI(Cardio Ankle Vascular Index:心臓足首血管指数)」と呼ばれる検査も同時に行います。 CAVI検査は、心臓から出た血液の拍動が足元に届くまでの速度を測定することで、「血管の硬さ(しなやかさの喪失度)」を測定します。この数値をもとに「あなたの血管年齢は〇〇歳相当です」といった、患者さんにとって非常に分かりやすい指標を算出することができます。

ABI検査で発見できる重大な病気「閉塞性動脈硬化症(ASO)

ABI検査の最も重要な目的の一つが、「閉塞性動脈硬化症(へいそくせいどうみゃくこうかしょう)」という病気の早期発見です。

これは、足の太い血管に動脈硬化が起き、血液が十分にカツカツにしか流れなくなる病気です。初期は単なる「足の冷え」や「しびれ」として現れるため、年齢のせいにして見過ごされがちですが、進行すると以下のような特徴的な症状が現れます。

  • 間欠性跛行(かんけつせいはこう) しばらく歩くと、ふくらはぎや太ももが締め付けられるように痛くなり、歩けなくなる症状です。少し立ち止まって休むと痛みが治まり、再び歩けるようになりますが、また同じくらいの距離を歩くと痛みが再発します。

  • 安静時痛(あんせいじつう) さらに病気が進行すると、歩いていなくても、じっと座っているときや就寝時にも足がズキズキと激しく痛むようになります。

  • 足の潰瘍・壊死(えし) 最終的には足先への血流が完全に途絶え、小さな傷がきっかけで皮膚がただれたり(潰瘍)、黒く腐ってしまったり(壊死)して、最悪の場合は足を切断しなければならなくなることもあります。

足の血管に動脈硬化が起きているということは、当然、心臓(冠動脈)や脳の血管の動脈硬化も進んでいる可能性が極めて高いと考えられます。つまり、ABI検査で足の異変を捉えることは、将来の心筋梗塞や脳梗塞を防ぐための強力な防衛策になるのです。

ABI検査の具体的な手順と数値の目安

検査方法は非常にシンプルで、患者さんへの負担がほとんどないのが特徴です。

  1. ベッドに仰向けに横になっていただきます。

  2. 両腕と両足首に、血圧測定用の帯(カフ)を巻きます。

  3. 胸元に心音を聴くための小さなマイクを乗せ、両手首に心電図のクリップを装着します。

  4. 一斉に血圧を測定します。

測定にかかる時間は実質5分程度です。血圧計が膨らむときに少し締め付けられる感覚があるだけで、注射のような痛みは一切ありません。

検査結果(数値)の目安
  • 0.91〜1.40(正常範囲)足の血管に詰まりの可能性は低い状態です。

  • 0.90以下(境界・異常値):足の血管が狭くなっている、または詰まっている可能性(閉塞性動脈硬化症)が疑われます。数値が低くなるほど重症度が高くなります。

同時に測定する血管年齢(CAVI)と合わせて、現在の血管の健康度をその日のうちにグラフや分かりやすいレポートでお渡しすることができます。

このような方はぜひ一度ABI検査をおすすめします

動脈硬化のリスクが高まる40代以上の方で、特に以下に当てはまる項目がある場合は、一度生活習慣病の管理を兼ねてABI検査を受けることを強くおすすめします。

  • 高血圧、脂質異常症(高コレステロール)、糖尿病の持病がある

  • 健康診断で尿酸値が高い、または肥満を指摘されている

  • 長年にわたってタバコを吸っている(喫煙習慣がある)

  • 家族に心筋梗塞や脳梗塞、狭心症を患った人がいる

  • 歩くと足(特にふくらはぎ)が痛くなり、休むと楽になる

  • 慢性的に足先が冷える、しびれる、感覚が鈍い気がする

まとめ

動脈硬化は、自分の目で見ることも、触って確かめることもできないため、どうしても対策が後回しになりがちです。しかし、ABI検査を活用すれば、わずか5分の負担で、現在の血管の「硬さ」と「詰まり」を正確に把握することができます。

当院内科では、生活習慣病の治療を行っている患者さんの定期的な血管リスク評価として、また「足の痛みや冷え」を訴える方のスクリーニングとして、ABI検査を積極的に導入しています。

「自分の血管の状態を知って安心したい」「生活習慣病を指摘されているけれど、薬を飲むべきか迷っている」という方は、ぜひ一度当院までご相談ください。手遅れになる前に血管の悲鳴をキャッチし、健康な未来を守るためのお手伝いをいたします。

HOME

ブログカレンダー

2026年8月
« 7月    
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31  
▲ ページのトップに戻る

Close

HOME

AIチャットに質問