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突然の鼻血は高血圧や病気のサイン?~正しい止め方と原因を内科医が解説~

[2026.06.10]

日常生活の中で、誰しも一度は経験したことがある「鼻血(鼻出血)」。子どもに多いイメージがありますが、大人になってから頻繁に鼻血が出るようになり、不安を感じて当院を受診される患者さんも少なくありません。

突然鼻血が出ると慌ててしまいがちですが、多くは正しい応急処置を行うことで自然に止まります。しかし、中には「なかなか止まらない鼻血」や「何度も繰り返す鼻血」もあり、その背景には高血圧などの内科的な疾患や、普段服用しているお薬、あるいは鼻の局所的な病気が関係していることもあります。

本記事では、鼻血が起こる主な原因、家庭で行うべき正しい鼻血の止め方、そして医療機関を受診すべき危険なサインについて、内科医の視点から詳しく解説します。

大人の鼻血が起こる主な原因とメカニズム

鼻の穴の入り口から約1〜2センチメートル奥に入った中隔(左右の鼻を隔てる壁)の部分には、「キーセルバッハ部位」と呼ばれる場所があります。ここは非常に細い血管が網の目のように集まっており、粘膜も薄いため、わずかな刺激で血管が破れて鼻血が出やすくなります。

大人の鼻血の場合、単に「鼻を触った」という理由だけでなく、以下のような全身的な要因(内科的要因)や局所的な要因(耳鼻科的要因)が複雑に絡み合っていることが多くあります。

高血圧や動脈硬化(内科的要因)

中高年以降の大人に見られる鼻血の場合、高血圧や動脈硬化が背景にあることがあります。血管が硬く脆くなっているため、血圧が急激に上昇した拍子に血管が破れ、一度出ると止まりにくくなるのが特徴です。また、大人の場合は鼻の奥の太い血管(後方出血)から出血することもあり、この場合は出血量が多く、喉に血が流れ込みやすくなります。

お薬の副作用(内科的要因)

脳梗塞や心筋梗塞の予防、不整脈の治療などのために、血液をサラサラにするお薬(抗凝固薬や抗血小板薬など)を服用している方は、鼻血が出やすく、かつ非常に止まりにくくなります。

粘膜の乾燥や炎症(耳鼻科的要因)

エアコンの効いた部屋や冬場の乾燥、アレルギー性鼻炎(花粉症)や副鼻腔炎(ちくのう症)によって鼻の粘膜が炎症を起こして敏感になっているときは、少しの刺激で出血しやすくなります。

間違えがち?家庭での「正しい鼻血の止め方」

鼻血が出たとき、昔からよく行われている処置の中には、実は医学的に間違っているものがあります。いざというときに落ち着いて対処できるよう、正しい手順を覚えておきましょう。

正しい応急処置の手順
  1. 姿勢は「やや下を向く」: 上を向いたり、首の後ろを叩いたりするのは間違いです。血が喉に流れ込んで飲み込んでしまい、気分が悪くなったり嘔吐したりする原因になります。椅子に座り、少し頭を下に向ける姿勢をとってください。

  2. 小鼻を強くつまむ(圧迫止血): 鼻血の多くは小鼻(小鼻の柔らかい部分)を両側から親指と人差し指で強くつまむことで止まります。骨のある硬い部分ではなく、小鼻全体をしっかりとつまんでください。

  3. そのまま10〜15分キープする: 途中で止まったかどうか何度も指を離して確認すると、固まりかけた血の塊(かさぶた)が剥がれて再び出血してしまいます。時計を見て、少なくとも10分間はしっかりとつまみ続けてください。

  4. 目元や鼻の付け根を冷やす: 額や目の間を冷たいタオルや保冷剤で冷やすと、鼻の血管が収縮して血が止まりやすくなります。

医療機関を受診すべき「危険な鼻血」のサイン

通常の鼻血であれば、上記の圧迫止血を15分ほど続ければ大抵は止まります。しかし、以下のような症状が見られる場合は、自宅での対処が難しいため、速やかに医療機関を受診してください。

  • 正しい手順で20分以上圧迫しても、全く止まる気配がない

  • 出血量が非常に多く、喉の奥にどんどん血が流れ込んでくる

  • 週に何度も鼻血を繰り返す

  • 鼻血だけでなく、歯茎からの出血や、体に身に覚えのない青あざ(皮下出血)が頻繁にできる

  • 片側の鼻の穴からだけ常に鼻血が出て、鼻詰まりや頬の痛み、悪臭を伴う

これらは、鼻の奥の太い血管が破れているケースや、鼻の中に「腫瘍(良性・悪性)」ができている可能性、あるいは血小板の減少や白血病といった「血液の病気」、隠れた「高血圧」が原因で出血傾向が高まっているサインであるリスクがあります。

まとめ

突然の鼻血は驚いてしまいますが、まずは「下を向いて小鼻を強くつまむ」という基本の圧迫止血を実践してください。

当院では、急性・慢性の鼻出血をはじめ、高血圧などの生活習慣病、耳鼻咽喉科疾患の診療を行っております。「鼻血が頻繁に出て困っている」「血液をサラサラにする薬を飲んでいて血が止まりにくく不安」という方は、症状が悪化したり大きなトラブルにつながったりする前に、どうぞお気軽に当院へご相談ください。

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