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よくある循環器の病気Cardiovascular disease

不整脈

「ドキドキする」・「脈が飛ぶ」・「めまい」・「息が詰まる」などの症状はありませんか?これらは不整脈がみられる症状です。不整脈は専門的な検査で治療が必要か否かを判断することが重要になります。不規則に心臓が動いてしまったり、極端に脈が遅くなったり、速くなったりする状態を大きくまとめて不整脈と言います。不整脈には多くの種類があるため、放置して問題ないものから、症状がなくても命に関わるようなリスクがあったり、脳梗塞を生じやすくなるものまで多岐にわたります。他の循環器疾患と比較すると、20代といった若い世代でも不整脈は起こります。心電図、24時間心電図(ホルター心電図)、心臓エコー、専門的血液検査といった主な検査から適切な診断・治療を判断します。
薬物治療の適応とならない、高度なカテーテル治療が必要なケースでも、都内有数の不整脈チームを有する大学病院と良好な病診連携をとっておりますので、適切なご紹介が可能です。軽微な症状でもまずはご相談ください。

狭心症

歩いたり、階段を上ったり、何か動いたときに「胸が痛む」・「胸が締め付けられる」・「胸の違和感」・「奥歯が浮くような痛み」を感じることはありませんか?これらの症状は狭心症でみられる典型的な症状です。心臓は全身に血を送るポンプとして24時間365日休みなく動き続けるため、血液中に含まれる多くのエネルギー(酸素と栄養)を必要とします。心臓自身に血液を送る血管は「冠動脈」と呼ばれ、この血管が動脈硬化で狭くなったり詰まったりすると十分な血液が心臓の筋肉に行きわたらなくなります。すると心臓が「必要な血液が十分に供給されていない」という警告として先ほどの狭心症の症状を発します。病気が進行すると安静時(何もしてなくても)症状が現れるようになります(不安定狭心症)。

冠攣縮(かんれんしゅく)性狭心症

冠動脈に強い動脈硬化がなくても、自律神経の微妙なアンバランスから突然、冠動脈がけいれん・収縮(攣縮=れんしゅく)してしまい、結果的に狭心症と同様に心臓の筋肉に十分な血液が行きわたらず、狭心症の症状が出ます。これを「冠攣縮性狭心症」といいます。冠攣縮性狭心症の特徴は、安静時、朝方、寒い場所、あるいは寝ている間に起こるケースが多いということです。「朝方胸が痛くて目が覚める」という症状は典型的な症状です。また、欧米人には少なく、日本人に多い病気であり、男性よりも女性(20代から60代)の方がやや多くみられる病気です。
このような狭心症の症状を自覚した時はご相談ください。

心筋梗塞

狭心症と同様に、「胸が痛む」・「胸が締め付けられる」・「胸の違和感」・「奥歯が浮くような痛み」が典型的な症状です。狭心症との違いは、冠動脈が完全に詰まってしまったか、それに近い状態なため、心臓の筋肉が一部死んでしまう病気です。これによって心臓の筋肉の電気的バランス乱れ、重症の不整脈を生じることで、突然死してしまうことがあるとても怖い病気です。また、死んでしまった心臓の筋肉は再生することができないため、心臓のポンプ機能が低下してしまうことで心不全という状態につながっていきます。この心筋梗塞は人間の寿命を大きく左右する非常に重要な病気ですが、現在は治療法が発達しているため、普段から病院をこまめに受診したり、適格で最新の知識に基づいた薬物療法を受けることで予後が大きく変わります。

また、生活習慣病をきちんと治療することで、狭心症や心筋梗塞、閉塞性動脈硬化症といった動脈硬化疾患を予防することができます。最新の知見に基づいた診断・治療が重要と考えています。

弁膜症

検診や診察時に「心臓に雑音がある」と言われると、弁膜症の可能性が高いです。症状は病気が進行すると心臓のポンプ機能が低下するため、後述する心不全の症状がでてきます。ほかにも肥大型心筋症や先天性心疾患の一部などでも雑音を生じますが、どちらにせよ心臓エコーなどの専門的な検査が必要になります。70歳近くになってくると、症状は全くないものの、かなりの割合で軽度から中等度の弁膜症を持っていることが多いです。心雑音を指摘された時はエコー検査で原因を調べることができます。

心筋症

なんらかの原因(色々なケースがあります)で心臓の筋肉に障害を生じる病気です。心臓のポンプ機能が低下し、結果として心臓が大きくなってしまう(心臓の拡張)のが拡張型心筋症です。日本人の心筋症で一番頻度が多いものの一つです。また、高血圧を治療せず放置することで結果的に心臓の筋肉が分厚くなり(肥大)、結果的に心臓のポンプ機能が低下する高血圧性心筋症という病態も比較的頻度が多いです。高血圧がなくても、遺伝などの要因で心臓の筋肉が部分的に分厚くなって(非対称的な肥大)、結果的に心臓の内部スペースが狭くなって狭心症や心不全に近いような症状を生じたり、心臓の電気的なアンバランスが起こることで重症の不整脈が起こることがあるのが肥大型心筋症です。いずれにしても循環器専門医による検査・診察が必須です。心筋症は症状が出てきた時には進行しているケースが多いので、健診などで心電図やレントゲンで異常を指摘された時は、早めに受診してください。

心不全

「息苦しい」・「疲れやすい」・「息が切れやすくなった」「顔・足がむくむ」・「食欲がない」などの症状はありませんか?これらの症状は心不全でみられる症状です。心不全とは、前述した心筋梗塞、弁膜症、心筋症や不整脈などがベースとなって、結果的に全身が必要としている血液の需要に、心臓のポンプ機能が答えられなくなって肺や全身で血液の渋滞が起こることでこれらの症状がでてきます。重症になると安静にしていても非常に息苦しくなったり、横になれないほどの息苦しさを感じます。レントゲン検査・血液検査・心電図検査・エコー検査で診断が可能ですので、軽微な症状でもお早めにご相談ください。