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2025年2月blog

週1回の新インスリン製剤が糖尿病治療を変える!

週1回の新インスリン製剤が糖尿病治療を変える!

糖尿病の治療にはインスリン注射が欠かせませんが、「毎日の注射が負担」と感じている方も多いのではないでしょうか?そんな悩みを解決するかもしれない新しいインスリン製剤が登場しました。

世界初の週1回投与型インスリン「アウィクリ注」

ノボ ノルディスク ファーマ社は、2025年1月30日に 週1回投与の持効型溶解インスリンアナログ「アウィクリ注 フレックスタッチ 総量300単位」(一般名:インスリン イコデク)を発売しました。

アウィクリ注の特徴

🔹 週1回の皮下注射でOK!
従来の1日1回または2回のインスリン注射と比べ、注射回数を大幅に減らすことができます。

🔹 血糖コントロールの持続
半減期が約1週間と長く、血糖降下作用が安定して持続します。

🔹 QOL(生活の質)の向上
注射の回数が減ることで、心理的負担の軽減や治療継続率の向上が期待されます。

どのように作用するの?

アウィクリ注は インスリン イコデク という新しい成分を含んでおり、皮下に投与後、アルブミンと結合することで徐々に放出され、血糖を安定的に下げます。

安全性と効果は?

アウィクリ注は ONWARDS試験 というグローバル臨床試験で、安全性と有効性が確認されました。

  • 1日1回の基礎インスリンと比較して 同等の血糖コントロール効果
  • 予期せぬ副作用はなく、忍容性も良好

インスリン治療の新しい選択肢

現在、糖尿病のインスリン治療には多くの種類がありますが、注射回数が少ないほうが患者さんにとっての負担が少ないことが分かっています。医師の調査でも、「毎日の注射が治療の障害になっている」という意見が多数を占めています。

まとめ

アウィクリ注の登場により、 インスリン治療の新しい選択肢 が生まれました。これまで「毎日の注射が大変…」と感じていた方にとって、大きな希望となるかもしれません。

糖尿病と向き合うすべての方へ、より快適で持続可能な治療を提供するために、医療は進化し続けています。

糖尿病の管理は新宿内科耳鼻科クリニックにお任せください。

聴力低下と認知機能の関係「難聴が脳に与える影響とは?」-新宿内科耳鼻科クリニックー

聴力低下と認知機能の関係   「難聴がが脳に与える影響とは?」

 

はじめに「最近、人の話が聞き取りにくくなった」「テレビの音を少し大きくしないと聞こえない」──そんな経験はありませんか?

 

実は、聴力の低下(難聴)が認知機能の低下と関連している可能性があることが、最新の研究で明らかになっています。今回はフランスの大規模調査からわかった驚きの事実と、取るべき対策について紹介します。

聴力低下と認知機能の関係

フランスで行われたCONSTANCESコホート研究(2012年〜2020年)では、45〜69歳の約6万人を対象に、聴力と認知機能の関係を調査しました。結果として、聴力が低下している人ほど認知機能の低下リスクが高いことがわかりました

(JAMA netw open 2024 Oct 1;7(10):e2436723 doi: 10.1001)。

具体的には

軽度の聴力低下(25dB以上)でも認知機能の低下リスクが 10%増加

より重度の聴力低下(35dB以上)では 24%増加

つまり、少し聞こえづらいと感じる程度でも、脳の働きに影響を与えている可能性があるのです。

 

補聴器は認知機能の低下を防げるのか?

「補聴器を使えば、このリスクを下げられるのでは?」と思うかもしれません。しかし、今回の研究では、補聴器の使用者と未使用者の間で 認知機能の低下リスクに大きな差は見られなかった ことが報告されています。

ただし、例外として うつ症状を持つ人 では補聴器の使用が認知機能の低下リスクを下げる可能性があることが示唆されました。これは、補聴器を使うことでコミュニケーションの機会が増え、社会とのつながりを保ちやすくなるためではないかと考えられます。

 

なぜ聴力低下が認知機能に影響するのか?

聴力の低下が脳の働きに影響を与える理由はいくつか考えられます。

脳への負担増加

聞き取るのが難しくなると、脳が余計なエネルギーを使って音を処理しようとするため、記憶や判断力といった他の認知機能に影響が出る可能性があります。

社会的孤立

聴こえにくくなると会話が億劫になり、人との交流が減ることで脳の刺激が不足し、認知機能の低下につながる可能性があります。

脳の萎縮

難聴が進行すると、音を処理する脳の部分(聴覚皮質)が使われなくなり、結果的に脳の萎縮が進んでしまう可能性が指摘されています。

 

では、どうすればいいの?

聴力低下を防ぐために、以下のような対策を意識しましょう。

✅ 定期的な聴力検査を受ける40代後半からは、定期的に聴力検査を受けて早期発見を心がけましょう。

✅ 耳を大切にする習慣を大音量の音楽や騒音を避け、イヤホンの音量も適度に調整しましょう。

✅ コミュニケーションを大切に聴こえにくくなったと感じても、人との会話を避けず、積極的に交流を持つことが大切です。

✅ 補聴器の適切な使用補聴器は「つければOK」ではなく、適切に調整し、使い慣れることが重要です。特にうつ傾向がある方は、補聴器を活用することで社会参加を促進できる可能性があります。

まとめ

最新の研究から、聴力低下と認知機能の関係が明らかになりました。補聴器がすべての人に認知機能低下の予防策として有効とは言えませんが、聴力を守ること自体が認知機能を維持するために大切なことです。

「まだ自分は大丈夫」と思っている方も、今からできることを始めて、耳と脳を大切にしていきましょう!