【スタンフォード大学×Nature発表】帯状疱疹ワクチン接種で認知症リスクが20%減少!?最新研究を解説
【スタンフォード大学×Nature発表】帯状疱疹ワクチン接種で認知症リスクが20%減少!?最新研究を解説
こんにちは、新宿内科耳鼻科クリニックのブログです!
今回ご紹介するのは、
「帯状疱疹ワクチン接種が認知症リスクを減少させる」という、世界的にも注目されている最新研究!
しかも発表したのは、名門スタンフォード大学と英国の研究チーム。
医学誌Natureに掲載された信頼性の高いデータです。
では、詳しく見ていきましょう!
帯状疱疹とは?50歳以上で急増する理由
まず、帯状疱疹(たいじょうほうしん)についておさらいしましょう。
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子どもの頃に感染した水ぼうそうウイルス(VZV)が体内に潜伏
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免疫力の低下とともに再活性し、皮膚に痛みや発疹を引き起こす
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50歳を過ぎるとリスクが急増し、帯状疱疹後神経痛(PHN)という長引く痛みも問題に
そのため、近年ではワクチン接種による予防が推奨されています。
【Nature掲載】帯状疱疹ワクチンと認知症リスク低下の最新研究
今回の研究のポイントはこちら!
研究概要
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対象人数:28万2,541人(英国ウェールズ在住)
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観察期間:7年間
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ワクチン:弱毒生ワクチン(ZOSTAVAX)
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手法:生年月日によるワクチン接種資格の違いを利用した「自然実験」
驚きの結果!
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帯状疱疹ワクチン接種で認知症リスクが20%低下(P=0.019)
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特に女性では効果がさらに強い
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他の病気(がん、心臓病など)には影響なし=特異的な効果
しかもこの研究では、
従来問題だった「ワクチンを打つ人はそもそも健康意識が高いのでは?」という交絡バイアスを見事に回避しています。
(生年月日という偶然要素で「接種群」と「非接種群」ができたためです!)
なぜ帯状疱疹ワクチンが認知症予防になるのか?
完全には解明されていませんが、以下の2つの仮説が有力です。
① ウイルス再活性化を防ぐ
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ヘルペスウイルス(VZV)が脳に炎症を引き起こす
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ワクチンによってウイルス再活性化を抑制
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脳のダメージや神経炎症を防ぎ、認知症リスクを下げる
② 免疫システムを良い方向に再プログラムする
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生ワクチンは免疫全体を活性化する作用も
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特に女性でこの効果が強く現れる傾向
両方のメカニズムが重なり合っている可能性が高いと、今回の研究は示唆しています。
注意!今回対象になったのは「ZOSTAVAX」
ここで一つ大切なポイント。
今回の研究は、 ✅ 弱毒生ワクチン(ZOSTAVAX)
を対象としています。
現在、日本で使用されているもう一つのワクチン、 ✅ 乾燥組換えワクチン(シングリックス)
については、まだ認知症リスク低下効果は証明されていません。
(ただし、帯状疱疹そのものの予防効果はシングリックスの方が高いとされています!)
帯状疱疹ワクチンを接種するメリットまとめ
メリット | 内容 |
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帯状疱疹の予防 | 90%以上の高い予防効果 |
帯状疱疹後神経痛の予防 | 生活の質を守る |
認知症リスク低下の可能性 | ZOSTAVAXで20%減少(女性でより強い効果) |
【よくある質問】帯状疱疹ワクチンと認知症予防
Q. 認知症予防目的で今すぐ接種したほうがいい?
→ 研究はあくまでZOSTAVAXに基づいています。現在主流のシングリックスにはまだ認知症予防効果は示されていませんが、帯状疱疹予防という意味でも接種は強く推奨されます。
Q. 50歳未満でも接種できる?
→ 通常は50歳以上が推奨ですが、特別なリスク(免疫低下など)がある場合は、医師と相談の上、接種可能です。
Q. 副反応はありますか?
→ 注射部位の痛み、腫れ、軽い発熱などが一時的に起こることがありますが、多くは数日で治まります。
まとめ|未来の自分へのプレゼント
認知症は、誰にとっても避けたい老後のリスク。
今回の研究結果は、
「帯状疱疹ワクチン接種が脳も守るかもしれない」
という新しい希望を示しました。
自分自身と、大切な家族の未来のために。
50歳を過ぎたら、帯状疱疹ワクチンを検討しましょう!
当院、新宿内科耳鼻科クリニックでは、帯状疱疹ワクチン接種を行っています。
お気軽にお問い合わせください。