ブログ

  1. 新宿内科耳鼻科クリニック
  2. 2024年

2024年10月blog

インフルエンザワクチンと新型コロナウイルスワクチンの接種が始まりました!

2024年のインフルエンザワクチンと新型コロナウイルスワクチンの接種が本日から開始になりました。

インフルエンザワクチンは予約不要で当日接種可能。新型コロナウイルスワクチンは要予約(接種する2日前までに電話で必ずご予約願います)。

①新宿区の定期接種の場合は、新宿区から送られてきた予診票を必ず持参の上、接種日にご来院ください。

②個人で接種の方(新宿区助成の予診票なしの方)

インフルエンザワクチン 税込み3,850円

新型コロナウイルスワクチン 税込み16,500円

③団体で接種の方(10人以上)

インフルエンザワクチン 税込み3,500円

*今年の秋から冬にかけてインフルエンザの流行が予想されますので、早めの接種が推奨されます。

マイコプラズマ肺炎とは?症状、診断、治療について。

マイコプラズマ肺炎とは?

 

マイコプラズマ肺炎は、マイコプラズマという細菌が原因で起こる肺の感染症です。普通の風邪や他の肺炎と似た症状が出ますが、比較的若い人がかかりやすく、特に職場などで広がりやすいのが特徴です。

主な症状

マイコプラズマ肺炎の症状は、軽い風邪のようなものから始まり、徐々に悪化していくことが多いです。以下のような症状が現れます。

  1. 咳(特に乾いた咳) 最初は軽い咳ですが、次第に強くなり、特に乾いた咳が続くことが多いです。夜間に咳がひどくなることもあります。

  2. 発熱 高熱が出ることは少ないですが、37~38度程度の熱が続くことがあります。

  3. 喉の痛みやだるさ 喉が痛くなったり、全身がだるく感じることがあります。

  4. 胸の痛み 咳や深呼吸をすると、胸に痛みを感じることもあります。

感染経路

マイコプラズマは、咳やくしゃみの飛沫を通じて感染します。学校や職場など人が多く集まる場所で特に感染が広がりやすいです。

診断

  1. 診断 症状や胸の音を聞くことで疑われますが、血液検査や胸部のレントゲン検査で詳しく確認します。

    胸部レントゲン像の特徴

    1. すりガラス様陰影(びまん性浸潤影) マイコプラズマ肺炎では、肺全体に広がる「すりガラス様陰影」と呼ばれる、白っぽくぼんやりとした影が見られることが多いです。これは、肺の細胞が炎症を起こしているために起こる現象です。

    2. 気管支周囲の浸潤 レントゲンでは、気管支の周囲に沿って白い影が見えることがあります。これを「気管支周囲浸潤」と呼び、マイコプラズマ肺炎では特徴的です。この浸潤は、肺の片側、特に下葉や中葉で見られることが多いです。

    3. 間質性肺炎像 肺の「間質」と呼ばれる部分に炎症が及ぶため、間質性肺炎の像が見られることがあります。これもすりガラス様陰影と関連していますが、細かな網目のような影が現れることが特徴です。

    4. 限局性または片側性の浸潤 他の細菌性肺炎では、肺の一部に局所的な浸潤影が見られますが、マイコプラズマ肺炎では、肺全体または片側性に限局した浸潤影が現れることが多いです。この点で他の細菌性肺炎とは異なる場合があります。

    5. 胸水が少ない 細菌性肺炎ではしばしば胸水(肺と胸壁の間にたまる水分)が見られますが、マイコプラズマ肺炎では胸水の発生が少ないことが多いです。これも区別する一つの手がかりです。

    血液検査結果の特徴

     1. 白血球数

    • 正常~軽度上昇 マイコプラズマ肺炎では、他の細菌性肺炎に比べて白血球数が大幅に上昇しないことが特徴です。場合によっては、正常範囲内にとどまることもあります。細菌性肺炎では白血球数が顕著に増加することが多いのに対し、マイコプラズマ感染では軽度の増加か、ほとんど変化が見られないことがあります。

     2. CRP(C反応性タンパク)

    • 軽度上昇 マイコプラズマ肺炎では、CRP値が通常の細菌性肺炎よりも低いことが一般的です。CRPは炎症の度合いを示す指標ですが、マイコプラズマ肺炎では炎症反応が比較的穏やかなため、数値がそれほど高くならないことが多いです。

マイコプラズマ肺炎の治療

マイコプラズマ肺炎の治療では、特に抗生物質の内服治療が重要です。マイコプラズマは細胞壁を持たない細菌であるため、細胞壁を攻撃する抗生物質(ペニシリンやセフェム系)は効果がなく、細胞内部の機能を阻害するタイプの抗生物質が選ばれます。ここでは、商品名を含めて使用される代表的な内服薬について詳しく解説します。

1. マクロライド系抗生物質

マクロライド系抗生物質は、マイコプラズマ肺炎の第一選択薬としてよく使用されます。比較的安全で、副作用が少ないため、子供や妊婦にも使用可能です。ただし、近年は耐性菌が増加しているため、効果が見られない場合には他の薬剤に切り替えることがあります。

主な薬剤:

  • アジスロマイシン(商品名:ジスロマック®)
    • 服用方法:1日1回、500mgを3日間服用。または、1回500mgを1日目に服用し、その後250mgを4日間服用する方法もあります。
    • 特徴:1日1回の服用で済むため、服薬の負担が少ないです。軽度から中等度のマイコプラズマ肺炎に広く使用されます。
  • クラリスロマイシン(商品名:クラリス®、クラリシッド®)
    • 服用方法:1日2回、200mg~400mgを7〜14日間服用。
    • 特徴:マイコプラズマに対して有効ですが、アジスロマイシンよりも服薬回数が多くなります。
  • エリスロマイシン(商品名:エリスロシン®)
    • 服用方法:1日4回、400mgずつの服用。
    • 特徴:歴史が古く、現在は副作用(特に胃腸症状)が強いため、あまり使われませんが、場合によっては選択されることもあります。

耐性菌の問題

近年、特に小児のマイコプラズマ肺炎において、マクロライド耐性マイコプラズマが増加しています。そのため、マクロライド系抗生物質が効果を示さない場合は、他の薬剤に切り替える必要があります。


2. テトラサイクリン系抗生物質

テトラサイクリン系は、特にマクロライド耐性のマイコプラズマ肺炎に対して使用されることが多いです。大人に使用されることが多く、子供や妊婦には避けられることが多い薬です。

主な薬剤:

  • ドキシサイクリン(商品名:ビブラマイシン®)
    • 服用方法:1日1〜2回、100mgを服用。通常7〜14日間続けます。
    • 特徴:耐性菌にも有効で、消化器系の副作用が少ないのが特徴です。服用時は、十分な水分を摂ることが推奨されます。
  • ミノサイクリン(商品名:ミノマイシン®)
    • 服用方法:1日2回、100mgを服用。通常7〜14日間続けます。
    • 特徴:同じテトラサイクリン系で、マイコプラズマ肺炎に有効です。光線過敏症(紫外線への過敏反応)に注意が必要です。

3. ニューキノロン系抗生物質

ニューキノロン系抗生物質は、マイコプラズマ肺炎の治療において、特に成人に対して使用されることが多いです。マクロライド系やテトラサイクリン系が効果を示さない場合に選択されます。小児や妊婦には使用されないことが一般的です。

主な薬剤:

  • レボフロキサシン(商品名:クラビット®)
    • 服用方法:1日1回、500mgを服用。通常7〜14日間続けます。
    • 特徴:呼吸器感染症に広く使われるニューキノロン系抗生物質です。腱炎や腱断裂のリスクがあるため、運動時に痛みを感じた場合はすぐに服用を中止し、医師に相談する必要があります。
  • シタフロキサシン(商品名:ラスビック®)
    • 服用方法:1日1回、100mgを服用。通常7〜14日間続けます。
    • 特徴:特にマクロライド耐性マイコプラズマに対して効果的です。ニューキノロン系の中でも新しい薬で、光線過敏症のリスクがあるため、日光に対する注意が必要です。
  • ガレノキサシン(商品名:ジェニナック®)
    • 服用方法:1日1回、400mgを服用。通常5〜14日間続けます。
    • 特徴:呼吸器感染症に対する適応があり、耐性菌にも効果が期待できます。マイコプラズマ肺炎の治療にも有効で、服用が1日1回で済む点が利点です。

まとめ

薬剤系統 主な薬剤名 商品名 服用方法 服用期間 特徴
マクロライド系 アジスロマイシン ジスロマック® 1日1回500mg 3〜5日 第一選択薬。子供や妊婦にも使用可。
クラリスロマイシン クラリス®、クラリシッド® 1日2回200〜400mg 7〜14日 マクロライド耐性が増加中。
テトラサイクリン系 ドキシサイクリン ビブラマイシン® 1日1〜2回100mg 7〜14日 マクロライド耐性菌に有効。
ミノサイクリン ミノマイシン® 1日2回100mg 7〜14日 光線過敏症に注意。
ニューキノロン系 レボフロキサシン クラビット® 1日1回500mg 7〜14日 腱炎・光線過敏症に注意。
シタフロキサシン ラスビック® 1日1回100mg 7〜14日 マクロライド耐性マイコプラズマに有効。
ガレノキサシン ジェニナック® 1日1回400mg 5〜14日 耐性菌に効果あり。

マイコプラズマ肺炎の治療には、主にマクロライド系、テトラサイクリン系、ニューキノロン系の抗生物質が用いられます。耐性菌の出現に応じて、適切な抗生物質を選択することが重要です。

新宿・東新宿・大久保の「呼吸器内科」「内科」「耳鼻咽喉科」なら「新宿内科耳鼻科クリニック」へ

https://higashi-shinjuku-cl.com

 

糖尿病の内服治療にはどんな種類があるの?商品名一覧

糖尿病の治療としては、まずは食事療法や運動療法を開始して、それでも十分な改善が得られない場合、内服薬が使われます。

内服薬は、血糖値をコントロールするために重要な役割を果たしますが、いくつかの種類があり、それぞれの特徴や作用が異なります。

ここでは、内服薬の種類、効果、代表的な商品名、そして飲酒との関係について、わかりやすく説明します。

1. ビグアナイド系(メトホルミン)

効果

ビグアナイド系の薬は、肝臓が過剰にブドウ糖を作り出すのを抑え、筋肉や脂肪組織がインスリンに対する感受性を高めます。これにより、血糖値が効果的に下がります。

代表的な薬の名前

  • メトグルコ(メトホルミン)
  • グリコラン

飲酒との関係

メトホルミンを服用中に大量のアルコールを摂取すると、低血糖や乳酸アシドーシスという重篤な副作用が起こる可能性が高まります。少量のアルコールなら問題は少ないですが、過度な飲酒は避けるべきです。


2. スルホニル尿素薬(SU薬)

効果

スルホニル尿素薬は、膵臓からインスリンを分泌させる働きを強めます。インスリンの分泌が少ないタイプの糖尿病に効果的です。

代表的な薬の名前

  • グリミクロン(グリベンクラミド)
  • アマリール(グリメピリド)

飲酒との関係

この薬を飲みながらアルコールを摂取すると、低血糖を引き起こすリスクが高まります。アルコールはインスリンの働きを強めたり、食事を取らないと低血糖が起こりやすくなるため、特に注意が必要です。


3. DPP-4阻害薬

効果

DPP-4阻害薬は、インスリンの分泌を促すホルモン(インクレチン)の働きを強め、食後の血糖値を下げる効果があります。副作用が少なく、他の薬と組み合わせやすいのが特徴です。

代表的な薬の名前

  • ジャヌビア(シタグリプチン)
  • ネシーナ(アログリプチン)

飲酒との関係

DPP-4阻害薬は、飲酒による血糖コントロールの影響が少ないとされています。ただし、糖尿病そのものへの影響を考慮すると、適度な飲酒に留めることが推奨されます。


4. SGLT2阻害薬

効果

SGLT2阻害薬は、腎臓で血糖を再吸収する働きを抑え、尿から余分な糖を排出させることで血糖値を下げます。また、体重減少効果もあるため、肥満のある患者に特に効果的です。

代表的な薬の名前

  • フォシーガ(ダパグリフロジン)
  • スーグラ(イプラグリフロジン)

飲酒との関係

SGLT2阻害薬を使用している間にアルコールを飲むこと自体は大きな問題にはなりませんが、アルコールは体内の水分を奪い、脱水症状や感染症を引き起こしやすくなります。特にビールなど糖質を多く含む飲み物は控えた方が良いです。


5. グリニド薬

効果

グリニド薬は、SU薬と似た作用で、食後の血糖値の急上昇を防ぐために膵臓からのインスリン分泌を促進します。作用が速いため、食直前に服用することが多いです。

代表的な薬の名前

  • スターシス(ナテグリニド)
  • ファスティック(ミチグリニド)

飲酒との関係

グリニド薬もSU薬同様、低血糖のリスクがあるため、アルコールの過剰摂取には注意が必要です。特に空腹時の飲酒は危険です。


6. α-グルコシダーゼ阻害薬

効果

この薬は、食事から摂取した糖分の吸収を遅らせることで、食後の血糖値の上昇を緩やかにします。食事中に服用することが多いです。

代表的な薬の名前

  • ベイスン(ボグリボース)
  • グルコバイ(アカルボース)

飲酒との関係

α-グルコシダーゼ阻害薬は、飲酒によって直接影響を受けにくいとされていますが、飲酒が食事の内容に影響を与えるため、間接的に血糖コントロールが崩れる可能性があります。糖質の多いアルコール飲料は控えると良いです。

 

飲酒と糖尿病治療全般について

糖尿病の治療中にアルコールを飲むことは、全体的に以下の理由から注意が必要です:

  • 低血糖のリスク:多くの糖尿病治療薬はインスリンの分泌を促進したり、血糖を下げる効果があるため、アルコールによってさらに低血糖を引き起こす可能性があります。
  • カロリーの摂取増加:アルコールはカロリーが高いため、飲みすぎると体重増加や血糖値の上昇につながることがあります。
  • 糖質の含有量:ビールや甘いカクテルなど、糖質を多く含むアルコールは、血糖値を急上昇させる原因になります。

まとめ

糖尿病の治療には、さまざまな種類の内服薬があり、それぞれ異なるメカニズムで血糖をコントロールします。飲酒は、特に低血糖のリスクや血糖コントロールの不安定化を引き起こす可能性があるため、適量を守り、医師に相談しながら治療を進めることが大切です。

当院では、患者様一人ひとりに合った最適な糖尿病治療を提供しています。最新の内服薬治療と生活習慣改善を組み合わせ、血糖コントロールをしっかりとサポートいたします。糖尿病に精通した医師によるきめ細やかなケアで、安心して治療を受けていただけます。

東新宿・新宿・大久保の糖尿病内科なら新宿内科耳鼻科クリニックへ

内科部門|新宿で耳鼻科・内科をお探しなら新宿内科耳鼻科クリニック (higashi-shinjuku-cl.com)