糖尿病内科blog
糖尿病の内服治療にはどんな種類があるの?商品名一覧
糖尿病の治療としては、まずは食事療法や運動療法を開始して、それでも十分な改善が得られない場合、内服薬が使われます。
内服薬は、血糖値をコントロールするために重要な役割を果たしますが、いくつかの種類があり、それぞれの特徴や作用が異なります。
ここでは、内服薬の種類、効果、代表的な商品名、そして飲酒との関係について、わかりやすく説明します。
1. ビグアナイド系(メトホルミン)
効果
ビグアナイド系の薬は、肝臓が過剰にブドウ糖を作り出すのを抑え、筋肉や脂肪組織がインスリンに対する感受性を高めます。これにより、血糖値が効果的に下がります。
代表的な薬の名前
- メトグルコ(メトホルミン)
- グリコラン
飲酒との関係
メトホルミンを服用中に大量のアルコールを摂取すると、低血糖や乳酸アシドーシスという重篤な副作用が起こる可能性が高まります。少量のアルコールなら問題は少ないですが、過度な飲酒は避けるべきです。
2. スルホニル尿素薬(SU薬)
効果
スルホニル尿素薬は、膵臓からインスリンを分泌させる働きを強めます。インスリンの分泌が少ないタイプの糖尿病に効果的です。
代表的な薬の名前
- グリミクロン(グリベンクラミド)
- アマリール(グリメピリド)
飲酒との関係
この薬を飲みながらアルコールを摂取すると、低血糖を引き起こすリスクが高まります。アルコールはインスリンの働きを強めたり、食事を取らないと低血糖が起こりやすくなるため、特に注意が必要です。
3. DPP-4阻害薬
効果
DPP-4阻害薬は、インスリンの分泌を促すホルモン(インクレチン)の働きを強め、食後の血糖値を下げる効果があります。副作用が少なく、他の薬と組み合わせやすいのが特徴です。
代表的な薬の名前
- ジャヌビア(シタグリプチン)
- ネシーナ(アログリプチン)
飲酒との関係
DPP-4阻害薬は、飲酒による血糖コントロールの影響が少ないとされています。ただし、糖尿病そのものへの影響を考慮すると、適度な飲酒に留めることが推奨されます。
4. SGLT2阻害薬
効果
SGLT2阻害薬は、腎臓で血糖を再吸収する働きを抑え、尿から余分な糖を排出させることで血糖値を下げます。また、体重減少効果もあるため、肥満のある患者に特に効果的です。
代表的な薬の名前
- フォシーガ(ダパグリフロジン)
- スーグラ(イプラグリフロジン)
飲酒との関係
SGLT2阻害薬を使用している間にアルコールを飲むこと自体は大きな問題にはなりませんが、アルコールは体内の水分を奪い、脱水症状や感染症を引き起こしやすくなります。特にビールなど糖質を多く含む飲み物は控えた方が良いです。
5. グリニド薬
効果
グリニド薬は、SU薬と似た作用で、食後の血糖値の急上昇を防ぐために膵臓からのインスリン分泌を促進します。作用が速いため、食直前に服用することが多いです。
代表的な薬の名前
- スターシス(ナテグリニド)
- ファスティック(ミチグリニド)
飲酒との関係
グリニド薬もSU薬同様、低血糖のリスクがあるため、アルコールの過剰摂取には注意が必要です。特に空腹時の飲酒は危険です。
6. α-グルコシダーゼ阻害薬
効果
この薬は、食事から摂取した糖分の吸収を遅らせることで、食後の血糖値の上昇を緩やかにします。食事中に服用することが多いです。
代表的な薬の名前
- ベイスン(ボグリボース)
- グルコバイ(アカルボース)
飲酒との関係
α-グルコシダーゼ阻害薬は、飲酒によって直接影響を受けにくいとされていますが、飲酒が食事の内容に影響を与えるため、間接的に血糖コントロールが崩れる可能性があります。糖質の多いアルコール飲料は控えると良いです。
飲酒と糖尿病治療全般について
糖尿病の治療中にアルコールを飲むことは、全体的に以下の理由から注意が必要です:
- 低血糖のリスク:多くの糖尿病治療薬はインスリンの分泌を促進したり、血糖を下げる効果があるため、アルコールによってさらに低血糖を引き起こす可能性があります。
- カロリーの摂取増加:アルコールはカロリーが高いため、飲みすぎると体重増加や血糖値の上昇につながることがあります。
- 糖質の含有量:ビールや甘いカクテルなど、糖質を多く含むアルコールは、血糖値を急上昇させる原因になります。
まとめ
糖尿病の治療には、さまざまな種類の内服薬があり、それぞれ異なるメカニズムで血糖をコントロールします。飲酒は、特に低血糖のリスクや血糖コントロールの不安定化を引き起こす可能性があるため、適量を守り、医師に相談しながら治療を進めることが大切です。
当院では、患者様一人ひとりに合った最適な糖尿病治療を提供しています。最新の内服薬治療と生活習慣改善を組み合わせ、血糖コントロールをしっかりとサポートいたします。糖尿病に精通した医師によるきめ細やかなケアで、安心して治療を受けていただけます。
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糖尿病かもと思ったら、あるいは既に糖尿病と言われているが、病院に通院していない方は医師にご相談しましょう。
必要な検査
血液検査:糖尿病の診断には、空腹時血糖値、食後血糖値、HbA1c(平均血糖値)、抗GAD抗体などの検査が含まれます。これらの検査は、糖尿病の診断や管理に重要な指標となります。
生活習慣の見直し
糖尿病のリスクを軽減するために、健康的な生活習慣を確立することが重要です。バランスの取れた食事、適度な運動、体重管理、禁煙などが含まれます。
医師の指示に従う
医師が糖尿病の診断を確定した場合、適切な治療計画を立てます。具体的には、薬物療法(経口薬やインスリン注射)、食事療法、運動療法、定期的な血糖モニタリングなどが含まれます。
定期的なフォローアップ
糖尿病は慢性疾患であり、定期的な医師のフォローアップが重要です。医師は血糖値のモニタリングや合併症のリスク評価を行い、治療計画を適宜調整します。一般的には1ヶ月ごとのフォローアップが適切です。
最後に
糖尿病の早期発見と適切な管理は、合併症のリスクを減らし、将来の健康にとってとても大事な疾患です。糖尿病の疑いがある場合は、早めに医師に相談し、適切な対処法を見つけましょう。
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