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耳鼻咽喉科blog

【専門医が解説】やってはいけない耳掃除!正しい方法と頻度とは?

耳掃除は日常的に行うケアの一つですが、間違った方法で行うと耳を傷つけたり、耳垢を奥に押し込んでしまうことがあります。今回は、正しい耳掃除の方法と注意点についてお話しします。

◆ 耳垢とは?

耳垢は、耳の中の皮膚から分泌される物質や、外部から入ったホコリなどが混ざってできたものです。実は、耳垢には以下のような役割があります。

  • 耳の保護:耳の中を潤し、乾燥や細菌から守る。

  • 異物の排出:ホコリや小さな虫などの異物を外に出す。

耳垢は自然に外へ排出される仕組みになっているため、過度な掃除は必要ありません。

◆ 正しい耳掃除の方法

  1. 頻度:​月に1〜2回程度で十分です。

  2. 道具:​先が丸い綿棒や、耳掃除専用の器具を使用します。

  3. 方法

    • 耳の入口付近を優しく拭き取る程度にとどめ、奥まで入れない。

    • 鏡を見ながら、無理のない範囲で行う。

◆ やってはいけない耳掃除

  • 頻繁に行う:​毎日のように耳掃除をすると、耳の中を傷つける原因になります。

  • 耳かきを深く入れる:​鼓膜を傷つける恐れがあるため、耳の奥には入れないようにしましょう。

  • 痛みを感じるまで行う:​痛みを感じたらすぐに中止し、無理に続けないことが大切です。

◆ 耳鼻科での耳掃除をおすすめする場合

以下のような症状がある場合は、自己処理をせずに耳鼻咽喉科を受診してください。

  • 耳が詰まった感じがする

  • 耳垢が固まって取れない

  • 耳掃除中に痛みや出血があった

新宿内科耳鼻科クリニックでは、専用の器具を使って安全に耳垢を除去することができます。自己処理で悪化させる前に、お気軽にご相談ください。

聴力低下と認知機能の関係「難聴が脳に与える影響とは?」-新宿内科耳鼻科クリニックー

聴力低下と認知機能の関係   「難聴がが脳に与える影響とは?」

 

はじめに「最近、人の話が聞き取りにくくなった」「テレビの音を少し大きくしないと聞こえない」──そんな経験はありませんか?

 

実は、聴力の低下(難聴)が認知機能の低下と関連している可能性があることが、最新の研究で明らかになっています。今回はフランスの大規模調査からわかった驚きの事実と、取るべき対策について紹介します。

聴力低下と認知機能の関係

フランスで行われたCONSTANCESコホート研究(2012年〜2020年)では、45〜69歳の約6万人を対象に、聴力と認知機能の関係を調査しました。結果として、聴力が低下している人ほど認知機能の低下リスクが高いことがわかりました

(JAMA netw open 2024 Oct 1;7(10):e2436723 doi: 10.1001)。

具体的には

軽度の聴力低下(25dB以上)でも認知機能の低下リスクが 10%増加

より重度の聴力低下(35dB以上)では 24%増加

つまり、少し聞こえづらいと感じる程度でも、脳の働きに影響を与えている可能性があるのです。

 

補聴器は認知機能の低下を防げるのか?

「補聴器を使えば、このリスクを下げられるのでは?」と思うかもしれません。しかし、今回の研究では、補聴器の使用者と未使用者の間で 認知機能の低下リスクに大きな差は見られなかった ことが報告されています。

ただし、例外として うつ症状を持つ人 では補聴器の使用が認知機能の低下リスクを下げる可能性があることが示唆されました。これは、補聴器を使うことでコミュニケーションの機会が増え、社会とのつながりを保ちやすくなるためではないかと考えられます。

 

なぜ聴力低下が認知機能に影響するのか?

聴力の低下が脳の働きに影響を与える理由はいくつか考えられます。

脳への負担増加

聞き取るのが難しくなると、脳が余計なエネルギーを使って音を処理しようとするため、記憶や判断力といった他の認知機能に影響が出る可能性があります。

社会的孤立

聴こえにくくなると会話が億劫になり、人との交流が減ることで脳の刺激が不足し、認知機能の低下につながる可能性があります。

脳の萎縮

難聴が進行すると、音を処理する脳の部分(聴覚皮質)が使われなくなり、結果的に脳の萎縮が進んでしまう可能性が指摘されています。

 

では、どうすればいいの?

聴力低下を防ぐために、以下のような対策を意識しましょう。

✅ 定期的な聴力検査を受ける40代後半からは、定期的に聴力検査を受けて早期発見を心がけましょう。

✅ 耳を大切にする習慣を大音量の音楽や騒音を避け、イヤホンの音量も適度に調整しましょう。

✅ コミュニケーションを大切に聴こえにくくなったと感じても、人との会話を避けず、積極的に交流を持つことが大切です。

✅ 補聴器の適切な使用補聴器は「つければOK」ではなく、適切に調整し、使い慣れることが重要です。特にうつ傾向がある方は、補聴器を活用することで社会参加を促進できる可能性があります。

まとめ

最新の研究から、聴力低下と認知機能の関係が明らかになりました。補聴器がすべての人に認知機能低下の予防策として有効とは言えませんが、聴力を守ること自体が認知機能を維持するために大切なことです。

「まだ自分は大丈夫」と思っている方も、今からできることを始めて、耳と脳を大切にしていきましょう!

花粉症が始まりました!~アレルギー検査~

2025年のスギ花粉シーズンが近づいています。東京都では、18日にスギ花粉の飛散が観測され、統計開始以来最も早い飛散開始となりました。

 

飛散量は昨年と同程度、例年(過去10年平均)の1.2倍程度と予想されています。特に多摩地域では例年の1.3倍程度の飛散が見込まれています。飛散のピークは2月中旬から3月上旬と予想されており、早めの対策が重要です。

 

花粉症の症状を軽減するためには、マスクやメガネの着用、室内の換気や掃除などの基本的な対策に加えて、自身のアレルギー原因を正確に知ることが効果的です。当院では、ドロップスクリーン検査を導入しております。この検査は、指先からわずか1滴(約20μL)の血液を採取し、約30分で41種類のアレルゲンに対する反応を調べることができます(検査結果はお待ちいただいても、メールにて結果送付もできます)。内科部門|新宿で耳鼻科・内科をお探しなら新宿内科耳鼻科クリニック

 

注射器を使わないため、小さなお子様や注射が苦手な方でも安心して受けていただけます。

ドロップスクリーン検査の主な特徴は以下の通りです:

  • 迅速な結果提供:検査後、約30分で結果が得られるため、その日のうちに診断と治療方針の決定が可能です。
  • 低侵襲:指先からの微量な採血のみで済むため、患者様の負担が少なく、特にお子様にも適しています。
  • 多項目検査:花粉やハウスダスト、食物アレルギーなど、41種類のアレルゲンを一度に検査できます。
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花粉症の症状がある方や、アレルギーの原因を特定したいとお考えの方は、ぜひ当院でのドロップスクリーン検査をご検討ください。早期の検査と適切な対策で、花粉シーズンを快適に過ごしましょう。